音色をカラフルにする たった3つの知識
「リズム感」「力の方向」「重心」
私たちがピアノを魅力的に鳴らすには、この3つが日本人と西洋人では異なる事を知らなければなりません。多くの方の悩みである「テクニック」「レガート」「テンポ感」は、能力や練習量が問題ではなく、基礎知識のズレに原因があります。
<リズムの違い>
「日本音楽はダウンビート」「西洋音楽はアップビート」 クラシック音楽のリズムには根源的な違いがあります。アップビートは「裏拍を意識する音楽」と言われますが、それ以前に「拍の捉え方= 手の叩き方」が異なります。
つまり、テクニックの9割はリズム感で決まるのです。
私たちが話す日本語は、西洋の言葉に比べると「平坦」で「抑揚」がありません。簡単に言うと、「テンプ↑ーラ」「フジヤ↑ーマ」の発音の違いです。クラシック音楽は言葉のリズムから成立していて、言葉のアップビートは、音楽にも反映されます。これは、元々の言語の違いによるところが大きいのです。
<力の方向の違い>
日本人はステーキナイフ、ノコギリ、日本刀など「手前に引いて」切ります。一方、西洋では「奥に押して」切ります。 本来はステーキナイフも押し切りの方がよく切れます。西洋人が作ったピアノ、どの方向へ力をかけるとより音が響くでしょうか。
脱力ができない方や響く音が出ないとき、基本の打鍵方向が真下や手前になっているか、ペダルを上下に踏んでいるかもしれません。前に回転する感覚になると、変わります。力の方向を知っていると、その楽器が一番良く鳴る力の加え方を”選択する”ことができるようになります。 ピアノは西洋の楽器ですので、日本人の「引く」力の使い方をしていては楽器が鳴りません。
ほんの小さな知識ですが、根本を変えるだけで、楽器と一気に親密になれるのです。
<重心の違い>
日本人の多くはかかとに重心を置き、足の外側でドッシリとバランスをとっています。 それに比べて西洋人は距骨に重心を置き、足の内側でゆらゆらとバランスをとっています。この揺れる感覚が非常に大事です。
例えば、日本舞踊は、目線の位置が変わらず平行に躍り、上下の動きはあまりありません。 一方、西洋の踊りのバレエは、上下の動きが多く、跳ねるように踊ります。
足音を鳴らしてこそリズムは生まれてきます。その瞬間は「距骨重心」になっています。重心を整えることでクラシックに必要な「上下の跳ねるリズム感」を身体が感じられるようになります。
「3つの知識」 体感するのに時間はかかりません。
セミナーでは、さらに詳しくお話ししています。
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